CNF複合樹脂「ELLEX-R67」 商用プラント設置

CNFの事業拡大を目指して2025年度に年産2,000トン設備稼働

大王製紙株式会社(住所:東京都千代田区、以下「当社」)はこのたび、セルロースナノファイバー(以下「CNF」)複合樹脂の商用プラントを当社三島工場(住所:愛媛県四国中央市)に設置します。CNFの軽くて強い特長を活かし、自動車部材や家電製品への用途展開が期待されるCNF複合樹脂は、2022年のパイロットプラント稼働を契機に、製造プロセス、用途開発がより一層加速していることから、CNFの社会実装を実現する規模の商用プラントの設置を決定しました。2025年度に生産能力年産2,000トンの商用プラント稼働を計画し、CNFの事業拡大を目指します。


■ 設備概要
1)生産品種   CNF複合樹脂「ELLEX-R67」
2)生産能力   年産2,000トン
3)設置工場   当社三島工場
4)設備投資額   約40億円
5)営業運転開始  2025年度中(予定)


■ CNF複合樹脂の製造プロセス
CNF複合樹脂の製造プロセス開発は、2020~2022年度に取り組んだNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」プロジェクト 助成事業において、CNFの社会実装の課題の1つである製造コスト低減を目的に、CNFの前処理プロセスや複合樹脂の生産性を飛躍的に改善する製造プロセスです。CNF前処理プロセスでは、当社がこれまで培ってきた抄紙技術を駆使した尿素によるカルバメート化セルロースの量産技術を確立し、複合樹脂の生産性改善では、芝浦機械株式会社(住所:東京都千代田区)と共同で高効率なCNFと樹脂の複合化技術を開発しました。

<CNF複合樹脂「ELLEX-R67」の製造プロセスと用展開イメージ図>


■ 商用プラント設置の経緯
当社は、2013年にCNF水分散液のサンプル提供を開始して以降、多様なユーザーニーズに対応できるラインナップの拡充とコスト低減のためのパイロットプラントによる製造プロセス開発を進めてきました。中でも、CNFの特長を活かせる複合樹脂に対する市場からの期待は大きく、製紙会社が有するポテンシャルを最大限活用し、パイロットプラントでの製造プロセス開発を進めてきました。この成果を基盤として、さまざまな用途展開に対応できる品質、供給量、コスト水準でCNF複合樹脂を生産するために、今回の商用プラント設置の決定に至りました。


■ CNF複合樹脂「ELLEX-R67」
CNF複合樹脂は、CNFの軽くて強い特長を活かし、自動車部材、家電製品、建材、日用品、容器・包装等の分野への用途展開が期待されています。当社のELLEX-R67は、品質とコストの観点から解繊度について検討を深め、部分的にCNF化したセルロースを67%含む高濃度ペレットであり、樹脂材料設計の自由度が高く、お客さまが混練・成形加工しやすい仕様です。また、CNFが植物由来であることや繊維が破断しにくいことから、減プラスチックやマテリアルリサイクルも期待できる素材です。

CNF 複合樹脂「ELLEX-R67」


■ 今後の展開
2025年度の商用プラント稼働に向け、自動車部材、家電製品、建材、日用品、容器・包装等の分野での用途展開を積極的に進めてまいります。中でも、軽量化、マテリアルリサイクル、植物由来等のCNFの優位性を活かせる自動車部材としての利用拡大を目指し、供給量を増大し、お客さまと連携して大型部材試作等の評価を進めていく計画です。


関連情報

当社CNF「ELLEX」について: https://www.daio-paper.co.jp/development/cnf/

<お問い合わせ先>
大王製紙株式会社 総務部広報課 TEL:03-6856-7501


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