専門用語一覧

特徴

や行

専門用語解説

あ行

エンボス加工【emboss かこう】

紙の表面に凹凸の型押しがされているものをいう。紙をゴムのロールと凹凸の加工をした金属のロールの間に通して型押しする。一般的にはエンボスと細かいマイクロエンボスがある。

か行

活性汚泥【かっせいおでい】

排水中の汚濁物質を、バクテリア等の微生物(活性汚泥)が分解します。分解された汚濁物質は、凝集して大きな塊となり、排水から分離されます。このような活性汚泥の働きにより、排水がきれいになります。

紙・板紙【かみ・いたがみ】

紙と板紙を厳密に区別した定義はないが、およその目安としては、単層抄きか多層抄きかで区別される。紙はほとんどが単層抄きで1本の円網で抄く。板紙の方はほとんどが多層型抄紙機を使用し、複数層で抄かれる。また、紙は薄物、板紙は厚物という区分の仕方もある。一般に厚み0.03mm以上のものは板紙という。

紙パルプ一貫工場【かみ pulp いっかんこうじょう】

製紙原料としてパルプから生産し、この原料を使って紙・板紙製品を製造するまでの設備が整っている工場のこと。正確には「パルプから製品までの一貫化生産工場」ということになる。

家庭紙【かていし】

一般家庭で使用される衛生用紙のこと。トイレットペーパーやティッシュペーパー、タオルペーパー、ちり紙等を指す。最終消費財(商品)であるため、新聞用紙などの素材となる紙・板紙とは流通形態や市場構造が異なり、独自の市場を形成している。

黒液【こくえき】

クラフトパルプなどアルカリパルプの黒色の廃液。蒸解液に含まれている無機物と植物から溶出したリグニンなどの有機物を含む。

古紙【こし】

一度、製品として市場に出回った紙・板紙、または製品を製造する段階で不要となった紙・板紙を、再利用を目的で回収し、製紙会社等に納入するものをいう。

古紙利用率と回収率【こしりようりつとかいしゅうりつ】

古紙回収率を紙・板紙の国内消費量で割った数値を「古紙回収率」といい『%』で表わす。一方、古紙利用率というのは、古紙の消費量÷製紙用繊維原料消費量で求められる値。

化学的酸素要求量(COD)【かがくてきさんそようきゅうりょう】

有機物等を酸化する際に消費される酸化剤の量を酸素の量に換算したもの。Chemical Oxygen Demand(COD)と表記することが多い。

コーター【coater】

原料に塗料を塗り付ける(塗工する)機械。コーター処理された紙を「コート紙」という。

コンバーター【converter】

Convert=「転換する、改造する」の意味から、加工業者を示す。

さ行

再生紙【さいせいし】

厳密には、「古紙を再生した紙」という意味になる。一般消費者を対象とした商品に「再生紙使用」と表示することが多い。

抄紙機【しょうしき】

紙を抄造する機械。パルプから湿紙を形成する抄き網部、水を絞るプレス部、乾燥部からなる。製紙業界では、「マシン」といえば、通常はこの抄紙機をさす。

シングル、ダブル(トイレットペーパー)【single,double】

ロール状に製造する際、1枚の紙が巻かれたものを「シングル」、2枚の紙が重ね合わされて巻かれたものを「ダブル」という。シングルは1枚で使用するため経済的である。一方、ダブルは2枚重ねであるため、長さがシングルの2分の1となるが、柔らかさや肌触りに優れている。

水酸化アルミニウム 【すいさんか aluminium】

ボーキサイトを原料とした物質で身近な商品としては歯磨き粉や医療品の一部として使用されており人体に無害な白い粉体。今、古紙配合率70%以上の再生紙にダイオキシン等の有害ガスを吸収し、発生を抑制する「水酸化アルミニウム配合の再生紙」が注目されている。

水中浮遊物(SS)【すいちゅうふゆうぶつ】

沈殿できない、水に溶けない物質(主に微細繊維、コロイド)のこと。一般にSSとも呼び、主に流出したパルプ繊維や紙の塗工に用いる炭酸カルシウム等の微粒子を指す。

上市【じょうし】

製品を市場へ投入すること。

ゼロ・エミッション【zero emission】

循環型の産業を目指して、廃棄物の極小化を図ること。なお産業界における廃棄物をゼロにする構想を「ゼロ・エミッション構想」という。製紙業界では、『ゼロ・ディスチャージ』と呼ぶ。

植林事業【しょくりんじぎょう】

当初の目的は、原料の確保だったが、現在では環境保全への貢献という役割も大きく認められている。植林地は、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、ブラジル、カナダなど多国にわたる。樹種は、生育が早く丈夫で製紙原料としても使用しやすいユーカリやアカシアが多い。植林規模も大きく、地球規模での環境貢献は世界に誇れる功績がある。 2001年3月から三島工場で自社植林木の使用を開始した。

装置産業【そうちさんぎょう】

設備投資による機械化・設備の増強により省力化・合理化が可能な産業のこと。膨大な設備投資を基盤に成り立っている。別名、「労働集約産業」に対峙する「資本集約産業」として捉えられている。

た行

脱墨【だつぼく】

古紙を製紙原料として利用する場合には、紙からインキを除去する必要があり、このインキを取り除く作業をいう。

DIP【deinked pulpまたはdeinking pulp】

再生紙の原料である古紙パルプを指す。古紙を離解し、インキを脱墨してできるパルプ。

地球温暖化ガス【ちきゅうおんだんか gas】

化石燃料(重油、石炭、天然ガス等)の燃焼により発生する二酸化炭素。温室効果により地球が温暖化するため、排出量の低減に各国が協力して取り組んでいる。

ダイオキシン【dioxin】

木片(チップ)を薬品で煮てできた茶色のパルプを漂白する工程で、塩素薬品を使用する場合に発生しやすいが、厳しい排水規制の遵守、微生物や薬品による排水浄化処理、無塩素漂白、酸素漂白の採用で、現在は環境省が調査した当時から96%以上も減少させている。

※平成 2年度 2.23 ng-TEQ, 平成 8年度 0.085, 平成12年度 0.083

チップ【chip】

パルプ、繊維板等の原料にするための、木材等の小片のこと。わが国では製紙用チップのほとんどを輸入しており、海路で製紙工場のある港に運び入れている。

チップ船【chip せん】

製紙原料となる木材チップを海外から専用に運ぶ船。当社も大型専用船を13隻所有し、チップを輸入している。なお、巻取(ロール)を専門に運搬する船を「RoRo船」(ロールオン・ロールオフ)という。

※ロールオン・ロールオフ:ロールを載せ、下ろす意味。

塗工紙(コート紙)【とこうし】

紙に薬品(塗料)を塗り混ぜて光沢を出した紙。筆記性や白色度の向上に効果がある。コーティング量によって品種を分け、薬品を薄く塗ったものを「軽量コート紙」、もっと薄いものを「微塗工紙」という。この処理を全く行っていないものを「非塗工紙」という。

は行

バイオマス【biomass】

生物エネルギーのこと。石油や石炭等の化石燃料はいずれ枯渇することが予測されているが、バイオマスは地球上のほとんどの地域に分布し、かつ持続可能なかたちで採取または育成できる。紙パルプ産業の場合、木材をKP(クラフトパルプ)法で蒸解した際に発生する黒液のほか再利用できない古紙を燃料として利用するなど、他の産業に比べてバイオマスエネルギーの利用率が高いのが特徴である。

剥離ライナー【はくり liner】

通常シールや粘着ラベルは、ツルツルした紙に貼った状態になっている。このツルツルした紙のことをいう。紙やフィルムにシリコン系ポリマーを塗ったものを指す。

パルパー【pulper】

古紙等の一度使われた紙を薬品で溶かしてパルプにする装置。底に回転羽根を設けた大型のタンクで、紙(古紙等)を溶解する。

パルプ【pulp】

木材その他の植物を、機械的または、化学的処理により抽出したセルロース繊維の集合体。セロファンなどの主原料となる。

フローテーション法【floatation ほう】

古紙の脱墨法の一つで、パルプ液に空気を吹き込み、その泡の表面にインク粒子を吸着浮上させて脱墨剤を使って、分離除去する方法。(再生紙を製造するためには紙や雑誌からインクを除去する必要がある)

フローテーター【floatater】

パルプ液のインキ粒子を除去する装置。このフローテーターでインクを除去していき、パルプの白色度を上げていく。

や行

ユーカリ【eucalyptus】

簡単に説明すると、ユーカリは生長が良く、約10年で収穫でき、また、紙にするのに適した性質を持っているため植林に適している。収穫が早いということは、資金面=植えてから早く紙にできる、投下した資金を早く回収できるため、投資としての回収効率に有利。環境面では荒廃地を早く緑化できるので、環境保全面でも早く効果を上げることができる。

パルプ原料として、同じ品質なものが大量に集荷できるという点ではユーカリに勝るものない。また、ユーカリは通直な幹で(つまり真っ直ぐである)、原木と集荷し、チップにする時、簡単にトラックに積んだり、機械に掛けたりできて扱いやすいので、集荷してチップにする時コストが安くなるという利点もある。

ら行

ラミネート加工【laminate かこう】

プリンターで印刷した画像、カラーコピー画像、写真等の表面に薄いフィルムを貼って防汚・防水加工したものをいう。

連続蒸解釜【れんぞくじょうかいがま】

現在の化学パルプは主にクラフト蒸解法で生産されている。(クラフトパルプという) クラフトパルプは、1950年以前まではバッチ釜で製造される。一般にチップをバッチ釜に入れ、蓋を閉めた後、蒸気で温度を上げ、蒸解薬品で蒸解を行い、パルプを取り出す。1サイクルは、3~4時間となる。1950年にカミヤ社製第一号50トン/日の連続蒸解釜が完成し、操業性が確認され今日、2,500トン/日の連続蒸解釜も開発された。連続蒸解釜では、釜のトップにチップを入れるため釜のボトムパルプが出るまでのパルプ製造は連続的に24時間/日で行われる操業をいう。

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