メディア用途の紙から梱包・包装用の紙へのシフト

新聞・洋紙の需要減に対応する戦略として、「メディア用途の紙」から「梱包・包装用の紙」へのシフトを進めてきました。2020年4月三島工場N7号抄紙機を洋紙から板紙へ改造し、地域の雇用を維持するとともに、パルプをあらゆる紙に利用できる競争力のある生産設備と臨海立地という強みを活かし、中国・東南アジアへ原紙輸出を開始しています。国内同様、輸出においても収益性の高いビジネスモデルとするため、現地ユーザーの品質ニーズに合わせながらも、市況変動を受けにくい海外専用紙としてFSC認証×古紙×クラフトパルプの高破裂ライナー「DAIO FSJPK(FSC Certified Japan Premium Kraft Lineboard)」を開発しました。 クラフトパルプ設備が不足する中国・東南アジアにおいて、自社クラフトパルプを配合した高破裂ライナーは、高強度かつ安定した古紙品質をベースに森林認証が取得できる環境対応原紙として、使用国においても認知されるようになってきました。高破裂、高強度、品質の安定性を実現することで高評価が得られ、当初の想定以上に顧客基盤拡大と収益力強化が進んでいます。引き続き、事業ポートフォリオの戦略的変革を進める中で、事業を通じた社会課題解決を考慮した商品開発に取り組んでいきます。

洋紙から板紙へ改造したN7号抄紙機

DAIO FSJPK

衛生用紙の供給体制強化

新聞・洋紙の需要減少が続くなか、基幹工場である三島工場を中心に衛生用紙への生産シフトを進め、雇用の維持・創出にもつなげています。三島工場では2021年7月にペーパータオル抄紙機、10月には隣接する川之江工場で2018年に続いて2台目となる衛生用紙抄紙機が稼働しました。さらに可児工場にも9月にティシューペーパー加工機を設置し、コロナ禍での衛生面の意識向上や人々の生活様式の変化に伴う需要構造の変化に対応するため、衛生用紙の国内他工場との生産バランス最適化、安定供給体制強化を図っています。
また、臨海立地という強みも生かし、川之江工場で生産された衛生用紙は、中国を中心としたアジア地域への複合事業化の推進につなげていきます。特に中国では「トイレ革命」としてトイレの衛生環境改善が進められており、“流せる”トイレットティシューの普及・拡大により衛生環境改善に貢献できると考えています。

川之江工場 衛生用紙抄紙機







中国抗菌トイレットティシュー

ペットケア用品市場への参入

国内の犬・猫の飼育頭数の合計は約1,589万頭※1を超えています。ペットの平均寿命の伸長や、ペットの家族化による飼養スタイルの変化により、1頭にかける支出も増え、ペット関連市場は拡大しています。当社は、「大王グループ サステナビリティ・ビジョン」において、人と多様な生物が共生・繁栄できる社会の実現を目指しています。そこで、エリエールで培ってきた商品開発力や生産技術を活用して「ペット」と「ペットと暮らす家族」が心豊かで幸福が感じられるような製品・サービスを届けたいという想いから、ペットケア用品事業へ新規参入しました。紙製猫砂には、衛生用紙や紙おむつを生産する過程で発生するロス品や端材を活用することで、環境に配慮したビジネスモデルを確立※2し、環境負荷の低減も並行して進めていきます。
※1:一般社団法人ペットフード協会「令和4年全国犬猫飼育実態調査」より
※2:環境に配慮したビジネスモデルの確立については → 統合レポートP79へ

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