マテリアルフロー

GHG(温室効果ガス)排出量推移
大王製紙グループでは、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指し、2030年度のCO2排出量を2013年度比で46%削減することを目標として設定しました。現在、TCFD提言に基づいた情報開示の準備を進めております。当社三島工場の石炭ボイラー3缶のうち1缶を2030年度までに停止します。その後もバイオマスや廃棄物由来燃料を有効利用することで、石炭への依存度を下げる取り組みを進めていきます。

大気関連データ



水質関連データ




[COD]Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量 有機物が最終的に炭酸ガスに分解されるまでに必要な酸素量で、主に海水中の有機物の総量を示します。数値が高いほど水が汚れていることになります。
[SS]Suspended Solids:懸濁物質 水中に浮遊している物質のことをいい、数値が大きい程、その水の濁りが多く水底への堆積物の原因になります。
大王製紙グループ各社の取り組み
バイオマス燃料の利用推進
CO2排出量の少ないバイオマス燃料への転換をグループ全体で進めています。
大王製紙グループでは、木屑・紙くず・廃プラスチック固形燃料(RPF)、廃タイヤなど廃棄物を燃料としたバイオマスボイラーの導入を進めています。 グループ全社で化石燃料を使用する石炭ボイラー、重油ボイラーから非化石燃料(バイオマス燃料)を使用するバイオマスボイラーへの転換を進めてきた結果、大王製紙グループのバイオマスエネルギー比率は37%(1990年度)から50%(2019年度)まで増加しました。

◆ 化石・再生可能エネルギー構成比率

自然エネルギーの利用推進
環境対応の一環として太陽光発電設備を設置し、CO2排出量の削減に取り組んでいます。いわき大王製紙(株)では、環境への負荷が少ない再生可能エネルギーの導入に取り組んでおり、2014年8月に移設・改造した段ボール原紙の生産設備の強化に合わせ、2014年11月末に太陽光発電設備を稼働させました。2020年は年間241Mwhを発電し、年間110トンのCO2排出量削減を削減しました。 エリエールプロダクト(株)福島工場では、福島復興企業立地補助金の支援をいただき、自社倉庫の屋根を利用した太陽光発電設備を2017年1月に稼働しました。 年間53Mwhを発電し、年間27トンのCO2排出量を削減しました。大津板紙(株)の石山物流センターでの太陽光発電は、年間268Mwhを発電し、91トンのCO2排出量を削減しました。


環境会計
- ①集計範囲:大王製紙(株) 三島工場、可児(かに)工場にいわき大王製紙㈱の環境保全コスト・効果にはグループ会社であるフォレスタル・アンチレLTDA.(チリ共和国)の植林関連を計上しています。
- ②集計対象期間:2020年度(2020年4月1日~2021年3月31日)
- ③環境省より公表されている「環境会計ガイドライン2005年度版」を参考に集計しました。
環境保全コスト
(単位:百万円)
分類 | 主な取り組み内容 | 投資額 | 費用額 | |
(1)事業エリア内コスト | 6,056 | 27,370 | ||
内訳 | ①公害防止コスト | 排水処理設備、脱臭・排煙脱硫設備、ECF等 | 723 | 5,027 |
②地球環境保全コスト | 海外植林、社有林維持管理、省エネルギー | 3,988 | 10 | |
③資源循環コスト | 廃棄物処理・再原料化、古紙等資源の有効利用 | 1,345 | 22,334 | |
(2)上・下流コスト | リサイクルコスト、低硫黄燃料購入費用(差額)等 | 1,599 | ||
(3)管理活動コスト | ISO14001費用、従業員教育、環境影響測定費用等 | 282 | ||
(4)研究開発コスト | 環境配慮銘柄等環境保全に資する製品開発等 | 69 | ||
(5)社会活動コスト | 各種ボランティア活動、団体支援、環境報告書等 | 59 | ||
(6)環境損傷コスト | 汚染負荷量賦課金(SOx) | 160 | ||
合計 | 6,056 | 29,541 |
環境保全効果
環境保全効果の分類 | 環境負荷項目 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 前年度との差異 | |
(1)事業エリア内コストに対応する効果 | ①化石燃料由来のCO₂削減 | CO₂排出量 | 千トン | 2,978 | 2,889 | 89トン削減 |
②大気汚染物質削減 | 硫黄酸化物排出量 | トン | 1,229 | 1,304 | 75トン増加 | |
窒素酸化物排出量 | トン | 6,199 | 6,161 | 38トン削減 | ||
ばいじん排出量 | トン | 435 | 293 | 142トン削減 | ||
③水質汚濁物質削減 | 排水量 | 千m³ | 129,287 | 131,441 | 2,154千m³増加 | |
COD排出量 | トン | 7,559 | 7,534 | 25トン削減 | ||
SS排出量 | トン | 2,177 | 2,443 | 266トン増加 | ||
窒素排出量 | トン | 451 | 404 | 47トン削減 | ||
りん排出量 | トン | 77 | 54 | 23トン削減 | ||
④海外植林の推進 | 海外植林面積 | ha | 27,950 | 29,000 | 1,050ha増加 | |
⑤産業廃棄物削減 | 産業廃棄物発生量 | 千トン | 311 | 267 | 44千トン削減 | |
(2)上・下流コストに対応する効果 | ①古紙利用の推進 | 古紙使用量 | 千トン | 1,732 | 2,232 | 500千トン増加 |
環境保全対策に伴う経済結果
(単位:百万円)
効果の内容 | 金額 |
省エネルギーによる費用削減 | 432 |
化石燃料使用減による費用削減 | – |
廃棄物の有効利用による処理費用削減 | – |
難離解古紙を溶解処理・原料の置換えによる費用削減 | – |
合計 | 432 |