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2050年には、関連市場が6兆円規模と見込まれるセルロースナノファイバー(以下、CNF)において、当社は、紙パルプ製造メーカーとして培ってきた設備、技術、ノウハウなどを駆使した製造開発プロセス、紙パルプにはないさまざまなCNFの機能を生かした用途開発を進めています。また、CNFを使用した軽量化やプラスチック使用量の削減などの低炭素社会の実現に貢献できる素材としてのニーズも高まるなかで、CNFのサンプル提供数も大幅に増加しており、製品開発や採用が進んでいます。当社の三島工場の多様なパルプの活用とユーザーニーズに応じたさまざまな形態や繊維サイズのCNFを供給できる強みと、当社ビジョンである「3つの生きる」に基づいて、医療・ヘルスケア、紙・日用品、自動車部材などの7つの分野で商品化を目指しており、これまでに2分野で商品化することができました。
三島工場で稼働中の水分散液、乾燥体、複合樹脂の3基のパイロットプラントを活用し、コスト競争力に優れる製造プロセス確立に向けた実証を進めるとともに、サンプル供給を通じて自動車部材、家電製品、建材、日用雑貨などの幅広い分野で引き合い件数を増やし、第5次中期事業計画期間での事業化を目指します。
私は、2009年に大王製紙に入社し、5年前から現在の新素材研究開発室でセルロースナノファイバーの開発を担当しています。
生産本部 新素材研究開発室
キレキラ!トイレクリーナー
左:『レボルディアCNF』(2022年4月発売) 右:『樊振東 CNF』(2022年9月発売)
バスのフロントバンパーへの実装
CNF複合樹脂
CNF 配合コンクリート
CNFを電気自動車に実装
人体環境に無害なRESCUE ZEROver1.3は世界で戦う競技者から上達を目指す一般の方まで、ハイレベルで簡単、そして人体や自然への影響をなくした自然を倒しむための最高峰のパウダー状ワックスです。Version1.3では、総合製紙メーカーの大王製紙のCNF乾燥体「ELLEX-P」を配合しました。
大王製紙株式会社は、CNFの新たな用途開発として、東北大学、東京大学、産総研と共同で半導体材料の研究を開始します。 このプロジェクトは、NEDOの「NEDO 先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に採択され、今年度から4つの機関が協力して共同研究を進めます。