SESSION 3

挑戦心で拓く、セカイ

宮本敦夫 × 河野宣昭 × 二宮俊史

宮本敦夫

宮本敦夫
エリエールインターナショナルコリア
代表取締役社長兼営業部長
2012年より韓国へ赴任。インターネット社会である同国にて、エリエールブランド強化を基軸に、販売戦略を立案・実行する

河野宣昭

河野宣昭
H&PC事業部
海外事業本部海外事業推進部 部長
日本国内で海外展開の調査・企画と既存進出先のバックアップを担当。2017年度海外売上高500億円達成を目指す

二宮俊史

二宮俊史
エリエールインターナショナルチャイナ
(ナントン) 総経理(董事長)
2013年に中国に生産・販売拠点を設立。2014年に総経理として赴任。グローバルな商品開発、生産体制構築と販売拡大に奔走している

H&PC(ホーム&パーソナルケア)領域の
海外戦略とは?

河野宣昭 河野

H&PCの海外事業は、本格的に開始してからまだ10年経っていません。だから、私たちは挑戦者です。挑戦者ならではの独自かつ思いきりのある戦略で世界に挑んでいます。現在は、タイ・中国・インドネシアに生産・販売拠点、韓国に販売拠点を持ち、海外展開を推進していますが、地域ごとに、そこで暮らす人たちに受け入れられる戦略をとって取り組んでいます。アジアでは特にJapan品質へのウォンツも大きく、そうしたトレンドをとらえてますます成長させていこうと考えています。

宮本敦夫 宮本

売上げも好調ですね。伸びしろも実に大きい。

河野宣昭 河野

H&PCの海外事業売上げは、直近5年で3.5倍以上伸びています。現在海外で主力商品となっているのがベビー用紙おむつですが、私たちが長年培ってきた製造技術ときめ細やかな気配りのある商品開発によって生まれた使い勝手と使い心地のよい商品がすでに多くの国で受け入れられています。

二宮俊史 二宮

もちろん、ポストアジアというところで中東などまだ我々が進出していない地域に種をまくことも怠らずやっていきたいですね。

各国独自の戦略とは?

宮本敦夫 宮本

韓国では販売拠点を設置し、日本で製造された商品の輸入・現地販売をしています。この国の特徴は宅配文化。そして日本以上のインターネット社会であることです。紙製品のみならず、あらゆるものをネットで購入する人が非常に多い。紙おむつでは、なんと約80%の人がネット購入しているという数字もあります。そのため、ネット販売で優位性を保つためのブランド戦略に重きを置いています。

河野宣昭 河野

そのおかげで、『GOO.N』は今や韓国で、誰もが知っている商品になっていますね。

宮本敦夫 宮本

そうなんです。今後は、『GOO.N』で培ったナレッジも活用し多様なカテゴリーの商品を浸透させていきたいと思っています。日本はすでに4人に1人は65歳以上という高齢社会ですが、韓国も10年後には似た状況になると予測されています。それを見据えたヘルスケア商品や、生理用品などを広めていければと考えています。中国はどうです?

二宮俊史 二宮

中国は、12年ほど前に日本からの輸入販売をスタートし、2013年に製造拠点を設置。製販一体で事業展開しています。周知のとおり、中国は経済も文化もその発展速度が凄まじい。私たちも進出当初は、いわゆる低価格帯商品が主流になるだろうという仮説を持っていたのですが、その社会発展のスピードが想定以上。そこで、高付加価値のプレミアム商品に力を入れていくべきだと、舵を切り好調です。そして、中国専売品の開発も独自に進め、日本で売られているものより価格も品質もワンランク高い商品も発売しています。

河野宣昭 河野

日本ではとても売れないような価格帯のものが売れているというのも驚きです。

二宮俊史 二宮

ただここに来て、中国社会も成熟期に入ろうとしており、経済沸騰ムードも落ち着こうとしています。この先の数年で、またシフトチェンジを図ろうとしている。そんなタイミングです。

海外製造拠点を持つメリットとは?

二宮俊史 二宮

競合メーカーの中には、日本生産品が人気ということで輸入偏重にシフトしているところもあります。ただ私たちは、10年先、20年先にも事業を継続して成長させていくには、現地開発・現地生産・現地販売が必要だと考えています。その地域に応じた商品を最も早く提供できるのは、その地域で考え、つくること。さらには、その体制を競合他社に先駆けて整えておくことで、先行者利益も確保したい。だから大王製紙は、各国で末永くビジネスを続けていくために、海外製造拠点設置に積極的なんですね。

大王製品を広めるため、韓国・中国で
それぞれ具体的にはどんな施策をこれまでに?

宮本敦夫 宮本

韓国には、産後調理院という場所があります。出産後、お母さんとお子さんとで産後調理院に入り産後ケアを行うというのが一般的なスタイルになっています。そうした場所に商品サンプルを置き、実際に使ってもらうという、いわゆるサンプリングマーケティングに力を入れています。一度使っていただければ、他商品との差を実感していただけるだけの商品力がありますし、韓国ではTVCMがあまり見られていないという現状もあってマス向けPRよりも効果絶大です。あとは日本同様に、インターネットマーケティングも不可欠ですね。

二宮俊史 二宮

中国でもマス広告より、口コミが重視される傾向がありますね。自分で試していいと思ったものでなければ信じない、という考え方が根付いていますから。そこで新しい取り組みとして、江蘇省南通市にある工場で新社屋を建てた際、それをプレゼン工場にしました。一般消費者の方々にも来ていただいて、工場見学できる場所にしたんです。南通工場ツアーと題してたくさんのご家族にお越しいただいて、清潔な生産ラインを見てもらったり、商品を使っていただく。そうしてブランドイメージの向上に努めています。

本部(日本国内)からは
海外へどんなバックアップを?

河野宣昭 河野

申し上げた通り、我々は挑戦者であり、海外展開ははじまったばかりですので「本部としては現地拠点を“管理”するのではなく、“支援”する」という基本スタンスを持っています。多角的な支援が必要ですが大きいのは、人・資金・技術でしょうか。海外工場で新たな生産ラインを構築するとなればベテラン技術者が応援に行きますし、さらなる販路拡大のためにマーケティング部門の社員が赴くことも。消費者調査のために商品開発の社員がかけつけたり、さらには、決算が近くなれば経理の人間が、現地採用活動支援のためには人事の人間がと、大王製紙の総力をあげて、海外拠点をサポートする体制を整えています。

海外で働く醍醐味とは?

宮本敦夫 宮本

まずはやはり、視野が広がります。生活環境自体が日本とはまったく異なりますから、その中で働き暮らしてみると、人間としても成長できるんじゃないかな。

二宮俊史 二宮

中国は特に、毎日が驚きの連続ですよ。仕事でも私生活でも(笑)。

宮本敦夫 宮本

(笑)。それと海外勤務は比較的、若くして責任があり幅広い職務を担えるのも大きいですね。私も数年前までは、まさかこの年齢で社長になるとは思っていなかったですから(笑)。赴任したその国の経済、文化、生活習慣、商習慣がどうなっているのかを知りながら、マーケティング、営業、商品開発、経営とさまざまな業務に携わり、自分の裁量で遂行していく。大変ですが、身に付くことは多く、面白いですよ。

河野宣昭 河野

海外へ行けば、必ず現地スタッフをリードする役目も担いますよね。多国籍な環境でマネジメント力を磨かなければいけない。さまざまな言葉や文化が入り交じったチームを動かすという経験は、その人にとって、実に貴重な財産であり武器にもなると思います。

二宮俊史 二宮

日本では10年かかって得られるような経験が、海外だと2、3年でできてしまうんですよね。ただし、自分から動かなければそうした経験はできないし、自分一人で判断をしなければいけない場面も数多くあります。指示を待っているだけでは何も起きませんが、自分から動けばいくらでも仕事を広げ、自分を成長させることができる。海外で働くというのは、そういうことかなと思っています。

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