SESSION 1

新商品が導く、アタラシイ生活

佐々木信義 × 塗木由美子 × 牧野成人

牧野成人

牧野成人
H&PC事業部
ファミリー&ハウスホールドケア営業本部
マーケティング部 課長代理
マーケティング担当。市場分析や消費者調査などをもとに、商品コンセプトの立案、営業・販促の方向性設定までも担う

塗木由美子

塗木由美子
H&PC事業部広告宣伝部
パッケージデザイン課 課長代理
毎年数々生まれる家庭用新商品やリニューアル商品をあわせ、年間で約300ほどのパッケージデザインのディレクション業務を担当

佐々木信義

佐々木信義
H&PC事業部グローバル商品開発本部
ファミリー&ハウスホールドケアBMD
部長代理
商品開発を担当。マーケティング分析に基づき、5年先までの商品政策立案、新商品開発・設計、既存商品リニューアル企画などを推進

※所属は取材当時

家庭用紙製品を扱う魅力とは?

佐々木信義 佐々木

私は、紙製品の開発に携わって10年ほどになりますが、最初は、ティシューペーパーやトイレットペーパーってどれも同じだろうと思っていたんです。商品やメーカーによってそう大差はないだろうと。でも大間違いだった。鼻をかんでも痛くならないティシュー、消臭効果あるトイレットペーパーなどなど。何気なく買うものですが、実に多彩な商品があり、なかなか奥が深い。

塗木由美子 塗木

ティシューやトイレットペーパーって、ある意味では完成されていて、工夫の余地がそうあるものではないと思うんですね。それでも『消臭+(プラス)』のような製品を送り出せるのはすごいですよね。トイレットペーパーの芯で消臭するって、思いつきそうで思いつかない、すごいアイデアだと思います。2010年に登場した『+Water』も。

牧野成人 牧野

『+Water』って社会の暮らしを変えた商品だと私は思っているんです。鼻炎症の方やお子さんはどうしても、鼻をかむとヒリヒリしてしまう。けれど保湿成分を配合して水分率を通常商品の170%にした『+Water』は、価格は少し割高だけど肌に優しい。この商品が登場したことで、テーブルを拭いたりするのは通常のティシューで、鼻をかむのは高品質な『+Water』と、ティシューの“使い分け”をする人が現れた。一昔前であれば「ティシューは何でもいい、安ければいい」というのが一般的な考え方だったと思いますが、そんな世の中の価値観を変えたと私は思っています。

佐々木信義 佐々木

当時、5箱セットが200円ほどで買えるティシューが山ほどある中で、約500円という価格設定。当初は、社内外から「本当に売れるの?」と言われましたよね。けれど、生活者視点に立ってつくった商品はちゃんと結果を出す。今ではいろいろな販売店様から「なくてはならない商品」と言っていただけるようになっています。生活者の方々からの反響も『+Water』と『消臭+(プラス)』の2商品が圧倒的に大きいですね。「使ってみて感動しました」とか。ちなみに『+Water』は量産体制を整えるため、数億円の設備投資をしているんですよね。必ずしも大ヒットする保証がない中で、それだけの投資ができるのは、緻密なリサーチ・マーケティングがベースにありながらも、会社全体にチャレンジする風土があるからかもしれませんね。

塗木由美子 塗木

最近だと、『i:na(イーナ)』という2倍巻きのトイレットペーパーも、交換回数を減らせて快適ですよね。そうした商品をもっともっと生み出して、生活の中にある不都合なことや不自由さを解消していきたい。付加価値のある商品づくりで、社会をちょっと豊かにする。それができるのは、生活必需品を扱う大王製紙ならではですよね。

新商品を生み出すチャレンジを増やすために
していることは?

牧野成人 牧野

若手のアイデアや発想を制限しないようにといつも心がけています。部下にも「とにかくタブー抜きで、アイデアや提案をあげてくれ」とよく話しています。せっかくメーカーで働いているんだから、自分はこういう商品をつくりたい、という想いがないと仕事も面白くなりませんし、1年目からでもどんどんアイデアを出して欲しい。

佐々木信義 佐々木

若手の力は必要ですよね。

塗木由美子 塗木

ええ。私はデザインを扱う部署にいることもあり、特に感じます。パッケージデザインには、トレンドへの敏感さや若い人ならではの感性も必要になりますから。それに、これはどんな仕事にも言えることだと思うのですが、経験が長ければ長いほど先入観みたいなものが生まれてしまうことがあります。過去の経験値が足かせになって、新しいアイデアをひらめきそうになっても「これはないな」と蓋をしてしまうことがある。その点、経験のない若い人たちはそうした足かせがないから、牧野さんのおっしゃったダブー抜きの発想もしやすいと思いますね。

  • 佐々木信義
  • エリエール +Water 写真

商品づくりに、一番大切なこととは?

佐々木信義 佐々木

牧野さんがマーケティング担当、塗木さんがパッケージデザイン担当、私が商品開発担当とそれぞれの立場から、商品づくりに携わっていますが、ときおり意見がぶつかることもありますよね。

牧野成人 牧野

ときおり、というかしばしばというか(笑)。でもそういうときにはいつも、生活者の意見に立ち戻りますよね。世の中が求めているのは何か、生活者に喜んでいただけるものは何かを基準にして決断していく。それでも悩んだときには、再び現場へ足を運ぶ。いくら会議室で議論を重ねても、何時間数字とにらめっこしても、現場を知らなければ答えは見つかりません。

塗木由美子 塗木

現場には、ヒントがごろごろ転がっていますよね。スーパーマーケットやドラッグストアを見て回ったり、あるいは生活者調査のためご家庭に訪問させていただいて、紙製品の使用方法を実際にこの目で確かめてみたり。アイデアって、そうして得た情報や体験から生まれてきますよね。

大王製紙というフィールドの魅力とは?

塗木由美子 塗木

自由に意見を言えるところと、新商品や新提案をする機会が整っているところですかね。他の会社に比べ、意思決定のスピードが速いともよく言われます。例えばこのH&PC事業部では、週に1回、事業部長までが加わる会議があります。新商品の提案などがあればそこで報告し、その場で決裁がおりることもあります。

佐々木信義 佐々木

驚くほど早いスピードで仕事も任せられます。私も、20代の頃に「中国でウェットティシューの容器をつくってきてくれ」と単身海外出張したことがありましたし、チャレンジさせてもらえる機会は多いですね。失敗しても、責任をとれ!なんて言われないし(笑)。

牧野成人 牧野

「責任は上でとるから、好きにやってこい」という心強い言葉はもらいますね。ただ、どんな仕事をするにしても「自分はどうしたいのか?」ということは常に問われる。だから、自分の意思ややりたいことを持っていることが、この会社を楽しむコツかもしれません。

商品づくりを志す学生へ

佐々木信義 佐々木

商品開発の仕事って幅広いんです。商品コンセプトや商品の仕様を考えるのみならず、生活者の心理を知るためのマーケティングはもちろん、製造現場のことも知らなければいけない。だから、幅広い領域の知見を磨く必要があります。ですので、担当職務の枠の中だけに収まらず、専門外のことにも貪欲に学んでいける人にぜひ来て欲しいですね。

塗木由美子 塗木

これまで数々の商品を送り出してきましたが、今でも、自分の手がけた商品が街中にあるお店で並んでいるのを見るとうれしく思います。苦労して、魂を注いだ分だけの喜びをいつまでも感じられるというか。そんな醍醐味を、これから入社される人たちにもぜひ味わって欲しいですね。

牧野成人 牧野

紙製品は、誰もが使う商品です。日本でいえば、1億2000万人がお客様であり、今後、海外展開が進んでいけば、何億、何十億という人の手に自分が手がけた商品が届くことにもなる。そうして、広く世の中の生活を豊かにできるというのは、本当に大きなやりがいですよ。エリエールという名前には、「やさしい風のように寄り添う商品を届けたい」という想いが込められていますが、まさに、その想いの通りの商品を届け続けていきたいと思っています。

  • 塗木由美子
  • エリエール 消臭+(プラス) 写真
  • 佐々木信義
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