2006年6月14日

塗工紙生産設備の新設工事着工について


大王製紙は省資源、省エネルギー、紙の軽量化に対応したオンマシンコーター(塗工機)新設と、併せて雑誌古紙処理設備および新聞古紙処理設備等の建設準備を、かねてより進めてまいりました。このたび準備が整い、6月14日起工式を執り行いました。平成19年8月運転開始に向けて工事を進める予定です。設備投資金額は総額470億円です。

昨年の国内塗工紙市場は約690万トンで、この10年間で年間平均約3%の成長を続けています。しかし近年輸入紙の増加が進んでおり、昨年は塗工紙分野で国内需要の約8%にあたる年間55万トンが輸入されました。最新設備による中国やヨーロッパの製品と競争できることを目指して、最新の製紙技術を導入したオンマシンコーターを新設します。

地球環境保護の観点から木材の省資源や省エネルギーを指向する、紙の軽量化のニーズは今後ますます進むと予想されます。当社が導入する新設設備は、軽量化という時代のニーズに対応して米坪範囲が38g/m2から80g/m2までのコート紙および微塗工紙を生産する計画です。

現状、当社では生産している殆ど全ての紙で古紙パルプを高配合しています。今後もさらに古紙配合率を高めるため、長年のノウハウを結集した雑誌古紙処理設備(450トン/日)を増設して、新設オンマシンコーターで使用します。新設オンマシンコーターで生産する紙に必要な原料は、天然材を一切使用せずFSC認証された自社植林の南米チリ材(植林木チップ)とリサイクルした雑誌古紙を使用して、環境面に特に配慮した原料で全て賄います。また古紙処理工程から発生する廃棄物から、自社技術によって製紙用無機薬品(「再生填料」)を再生・使用するとともに、使用する晒クラフトパルプは全量ECFのパルプです。

また雑誌古紙処理設備の増設に併せて新聞古紙処理設備(350トン/日)も増設し、塗工機完成にあわせて新聞用紙を増産する体制も整えます。木材パルプに比べて生産に要するエネルギー消費量が少ない古紙パルプの生産比率を上げて省エネルギーを図り、新設オンマシンコーターで使用するエネルギーを賄います。新設する新聞古紙処理設備は、オンマシンコーター完成前の本年年末に稼動させます。

FSC認証:    FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)認証
FSCは、森林資源の適切な利用と保全を行うため、1993年に設立された非営利国際機関です。FSC認証とは、同機関により審査を受け、適切に環境を保護され、不法伐採や先住民との争議がないことを認証されたことをいいます。


再生填料: 古紙から繊維を再利用する技術は既に確立していますが、紙に含まれる無機成分の多くは古紙処理工程でインクと共に排出、廃棄されていました。当社は2005年、古紙処理工程の廃棄物から無機成分を回収・再生する「再生填料」製造技術を確立しました。

ECFパルプ: (Elemental Chlorine Free:塩素を使用せずに漂白したパルプ)塩素を使わず、漂白のために酸素やオゾン、二酸化塩素を使用します。この結果、製紙工場の排水残留塩素をさらに削減するとともに、漂白工程で発生するクロロホルムを大幅に抑制することができるなど環境に配慮した漂白方式です。

<新設する生産設備の概要>

1. 生産品種    コート紙、軽量コート紙、微塗工紙
2. 塗工紙生産設備    設備名 新10号抄紙機(N10マシン)
オンマシンコーター(フォイトペーパー社製)
月産能力24,000トン
(ワイヤー幅8,100mm、運転速度 毎分1,800m)
3. パルプ製造設備    雑誌古紙処理設備 月産能力13,500トン
新聞古紙処理設備 月産能力10,500トン
4. 運転開始    平成19年8月
5. 設置場所    大王製紙株式会社三島工場
(愛媛県四国中央市)
6. 設備投資金額    470億円




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